2024年1月2日、新年を迎えたその年の元旦にとても悲しい震災が起こってしまいました。更に立て続けに羽田空港の悲しいニュースが流れてきました。
そんな時、女優の石田ゆり子さんがInstagramで「犬と飛行機について」の想いを発信したところ、ご本人も思いもよらない事態になってしまいました。
ボクは、愛犬コジロウというとても大切な家族と別れてから1年半が経ってしまいましたが、思い出さない日はありません。
ボクが思うに犬は家族ではあるけど「人間ではなくて、犬は犬である」という意見です。
また、犬が嫌いな人にとっては「一緒に飛行機に乗るなんてあり得ない」という意見も理解できます。
というのも、ボクは犬が大好きなのに犬アレルギーですし、例えばペットOKで隣の人がボクのガチで苦手な蛇と同乗していたら気が狂ってしまうと思います。
ただ、一方的に相手を非難するのではなく、お互いを尊重して具体的な解決策を考えていくことで、今後よりよい方向にいけば良いなとも思っています。
前置きが長くなりましたが、本記事では「犬を飛行機に乗せるなんてかわいそう」「飼い主失格」という意見や、「犬も飼い主と快適に飛行機で旅行したい」という意見などを集めつつ、ボク自身の解決策を書いています。
犬は飛行機に乗ることはできるがかわいそうなのか?
「犬を飛行機に乗せることはかわいそうなのか?」
正直色々な条件で変わるので、なんとも言えません。いきなり無責任だなと言われるかもしれませんし、「人間のエゴ」と言われるかもしれません。
人間のエゴと言われると、そもそも犬を飼うこと自体がエゴかもしれません。それでも、愛するワンちゃんの一生を輝かせるのは飼い主の責任なんですよね。
話を戻します。
「犬を飛行機に乗せることはかわいそうなのか?」
こういう理由です。
- 貨物室に放り込まれてギャン泣き
- 気圧の変化に耐えられないのでは?
- 飛行機もそうだが長旅で心も体もストレス
貨物室に放り込まれてギャン泣き
確かに、全然慣れていない貨物室で寂しく待つのはとても不安ですよね。預けられて貨物室まで運ばれて、移動後も飼い主と離れ離れで数時間会えないわけですから。
でも、それを言ってしまうと、一人暮らしやボクたち共働き夫婦が仕事で留守にすること自体、犬がかわいそうで飼ってはいけないだろうってことになる。
でも、決して飼育放棄しているとは思っていないし、もちろんなるべく早く帰る努力はするわけで。だから、きちんと留守番できるようにしつけも必要で、実際コジロウはボクたちが仕事で不在の時もリラックスして留守番してくれていました。
気圧の変化に耐えられないのでは?
犬はケージに入れられて、乗客の座席の下にある貨物室に置かれます。気温の管理はしているものの、高度が高いところを飛行しているので気圧の変化があります。
ボクたち人間でも、ちゃんと耳抜きができていないと耳が痛くなりますし、最悪、酷い頭痛に襲われます。ですので、ワンちゃんにとって、全く負担はかからないとは言えないでしょう。
飛行機もそうだが長旅で心も体もストレス
飛行機に乗せること自体、また一緒に旅行に行くこと自体が飼い主のエゴという意見もあります。
確かにそうなのかもしれません。長旅は心も体もストレスになるのかもしれませんが、ボク自身は愛犬コジロウを車やフェリーで北海道旅行に行ったことがあります。
極力、愛犬コジロウの負担がかからないように、フェリーではペットと泊まれる部屋で行きました。ただ、帰りは予約が取れなかったので、別部屋のペット用ゲージに預けました。
分離不安症のワンちゃんであれば、短い時間でもギャン泣きしてストレスが溜まるかもしれません。しかし、それは普段の生活でしつけることも可能です。
もし、少しの時間も愛犬から離れてはいけないのであれば、仕事は在宅オンリーで、買い物にも病院にも行けないので、一人暮らしの人はNG、誰かしらの家族が一緒にいなければいけません。
愛犬を飛行機に乗せずにどこに預ける?
では、一緒に愛犬を連れて行くことができない場合、どういった対処法があるのでしょうか?
おおまかに言うと以下の3つです。
- ペットホテルやペットシッター宅に預ける
- ペットシッターに自宅に来てもらう
- 犬の扱いに慣れた知人や親に預ける
ボク自身は、上記の3つは全て経験しています。出張や旅行に行く時はそうしてました。
ペットホテルやペットシッター宅に預ける
犬を飼っている人が、仕事や法事、旅行などの理由で、犬を預ける際に一番多いのがペットホテルではないでしょうか。
羽田空港近辺にもペットホテルはありますし、中には24時間監視し、防犯カメラで愛犬の確認をできるサービスがあるところもあります。
また、動物病院にも預かりホテルがありますので安心かもしれません。(但し、夜から朝は無人のため監視が無いところがほとんど)
あとは、ボクも実際に預けたことがあるペットシッター宅も良かったです。資格を持っていることは当然として、自分の愛犬と同じ愛情を持って預かって頂けました。
ペットシッターに自宅に来てもらう
ボクの知人が実際にペットシッターに自宅に来てもらっていましたが、愛犬にとっては環境も変わることなく一番ストレスがないのかもしれません。
ただ、鍵を預けて留守中の自宅に入ってもらうことはなかなか抵抗がありますよね。そこは割り切って考えられる人だったり、また、防犯カメラを設置しておくのもおすすめです。
下記は、ウチの自宅に設置した防犯カメラのレビュー記事です。ぜひ合わせてお読みくださいね。
下記リンクから、アナタの地域のペットシッターさんを調べることができます。興味があればぜひチェックをしてみてください。
犬の扱いに慣れた知人や親に預ける
実際に犬を飼っている知人・友人、実家の親に預けるというのもテです。
何度か遊びに行っている家や、知人宅のワンちゃんともコミュニケーションできていると安心です。もし、一度も預けたことが無いのであれば、事前に愛犬をその環境に慣れさせておくことをおすすめします。
犬を飛行機に乗せつつ、犬がNGな人も満足できる案は?
「犬を飛行機に乗せること自体アウト」という100ゼロだと話が終わってしまうので、敢えて両方の意見が両立できる方法はないのか考えてみましょう。
- 犬OKの飛行機便と犬NGの飛行機便に分ける
- その上で犬連れの座席を区分けする
- 換気・臭い対策をする
犬OKの飛行機便と犬NGの飛行機便に分ける
全部が全部の飛行機の便を犬OKにするのは、さすがに無理があるとは思います。ただ、一日一便なり数便は、犬OKの便、犬が乗ってても気にならない人の便にするのはどうでしょう。
ペットがどうしてもNGな人と、ペット連れの人が一緒の飛行機に乗らなければお互いストレスが無くなるはずです。
その上で犬連れの座席を区分けする
例えば、ペット同伴OKの店であっても、テラス席に区分けしているところもありますので、どちらの意見も尊重した案ですね。
目には見えない臭い、アレルギー対策として下記でもお話していますが、換気・臭い対策をしつつ、きちんと区分けすればいかがでしょうか。
換気・臭い対策をする
ULPAフィルタは、花粉症の原因と言われる杉花粉は、およそ30マイクロメートル、タバコの煙は、およそ0.01~1マイクロメートルという、このようにとても小さい花粉や煙を捕集してくれます。
では、ペットの臭いはどうなのかというと、ペットや汗の成分のアンモニアなどは、更に小さい0.0001~0.001ぐらいなのでULPAフィルタでは補修できませんが、空気清浄機でそれらの成分を分解してくれます。
今後、更に高性能なフィルタや空気清浄機が開発されていけば、ペットの臭いすら全くしない空間、アレルギー反応も起こらない空間が実現するはずです。
以上、3つの案を挙げてみました。また、例えば電車では犬や猫などのペットをゲージや顔が出ないバッグに入れての乗車はできます。もっと言えば、盲導犬を連れた人も電車に乗れます。
ただ、飛行機の場合は、事故などで避難する際には人命最優先なので、結局は荷物を(ペットも)持ち運べないという最大の難関が残りますが…。
そもそも犬を座席に乗せれる飛行機はあるのか?
結論から言うと、2024年1月15日(木)から、スターフライヤーが【FLY WITH PET!】というプランを発表しました。
なんと、国内線全路線・全便にサービスを拡大されました。恐らく、2024年1月の羽田空港事故から様々な意見が交わされて、スターフライヤーが決断されたのでしょう。
犬を座席に乗せられる航空会社は以下の通りです。
- スターフライヤー
- JAL
それでは各社の詳細を見ていきましょう
スターフライヤー
上述のとおりスターフライヤーは、犬・猫といったペットと一緒に座席に座れる【FLY WITH PET!】というプランを打ち出しました。
主な情報、条件は以下の通りです。
- 狂犬病ワクチン、混合ワクチンの接種→接種証明書を提示
- ケージ(50㎝x40㎝x40㎝程度)に入る小型の犬及び猫
- 料金:一匹50,000円
- 国内線前線OK
申し込み方法、搭乗手続きなどの詳細は、下記リンク先:スターフライヤーのサイトでご確認ください。
JAL
JALは、ペットのみを輸送する場合は貨物扱いとなります。
ペットを安全に輸送するために、温度や湿度などペットにとって快適に移動できるような環境を作っています。
その一方で、限定的ではありますが【ペットとおでかけサービス】に申し込めば機内に持ち込み可となります。
条件は以下の通りです。
- ケージ(幅20cm×高さ20cm×奥行30cm以内)に入れられるペットであること
- ケージから逃げ出せない、水漏れ等ない状態であること
- 他の乗客に迷惑をかけないペット(鳴き声・毒性・匂い等が無い)であること
- ケージの中が見えないようにシートなどで覆うなど配慮すること
- 産業用、商業用ではなく、あくまでプライベートな理由であること
スターフライヤーと比較すると、ケージの条件が小さいので犬種が限られるかもしれませんね。
詳しくは下記リンク先:JALのサイトでご確認ください。
シニア犬は飛行機大丈夫?搭乗可能な年齢は何歳まで?
結論から言うと「何歳までなら大丈夫」という明確な取り決めはありません。
一般的には、生後8週間以上の犬であれば問題ないとされていますが、例えば短頭種の犬だと年齢に関係なくNGだったり、若い年齢であっても健康状態に不安があるペットは断られるケースが多いのです。
また、各航空会社の規定によるので、年齢については若干の幅があります。
もし、愛犬と一緒に飛行機を乗る予定があるのであれば、航空会社に確認を取ることが重要です。
そして、実際に愛犬を飛行機に乗せる場合は、例え航空会社の規定に外れなくとも、事前にかかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。
犬を飛行機に乗せる際に考えられるリスクと注意は?
「さぁ愛犬と一緒に飛行機で移動するぞ!」と決断したら、念のためにリスクも検討しておかなければいけません。
犬を飛行機に乗せる際、考えられるリスクと注意点は以下の通りです。
- 手続き
- 気圧・温度の変化による体調不良・病気
- ストレス(分離不安や閉所恐怖症)
- 万が一の場合の航空会社の対応
- 最悪、亡くなることも…
それでは見ていきましょう。
手続き
普段から飛行機に乗っている人でも、愛犬を飛行機に乗せるための手続きは結構面倒なようです。
航空会社で手続き方法は変わるところもありますが、搭乗の際には「狂犬病ワクチン」「混合ワクチンの接種」などの接種証明書が必要なので、事前に用意しておかなければいけません。
狂犬病ワクチン・混合ワクチンなどの接種証明書を忘れてしまうと、愛犬を残して出発(さすがに置いてはいけないと思いますが)ということも…。
手続きは事前にチェックして、万全な状態で当日を迎えるようにしましょう。
気圧・温度の変化による体調不良・病気
上記で説明したとおり、飛行機内での気圧や温度はしっかり管理しています。とはいえ、ワンちゃんによっては慣れない環境で体調を崩す可能性があります。
実際に、2021年8月にはJAL機の貨物室で熱中症が原因で亡くなってしまったワンちゃんもいるようです。
ポポちゃん(ポメラニアン)が届けられたときには舌をだして倒れた状態だった。
引用:東洋経済オンラインの記事【ペットと一緒に「空の旅」死亡リスクもあり要注意】
はじめて飛行機に乗せる時はやっぱり不安になりますよね。
ボクも愛犬コジロウを熱中症にしてしまった経験があるので、「熱中症」と聞くと悲しい気持ちになります。
ボクと奥さんがコジロウへの想いやペットロスについて書いたKindle出版をチェックしてくれたら嬉しいです。
ストレス(分離不安や閉所恐怖症)
貨物室に預けられたワンちゃんの鳴き声が乗客室にも聞こえてきたという投稿です。何時間も吠え続けていたことを考えると、確かにかわいそうなんですよね…。
万が一の場合の航空会社の対応
犬と一緒に座席に座れるスターフライヤーのサービス詳細には、以下の通りの注意書きがあります。
緊急時の酸素サービスはペットにはご利用いただけません。また脱出の際にはペットは機内に置いて行かなくてはなりません。
この一文に同意しないと、愛犬と一緒に飛行機に乗ることはできません。
「事故ってそうそう起こるわけではないし、まぁしょうがないか」と同意しても、実際に事故が起きる時はおこってしまうのです。
「その時に、愛犬をそのまま機内に置いて自分だけ脱出できるのか…?」
ではなくて、航空会社の同意書に従って飛行機に乗ったのであれば、愛犬を座席に置いたまま自分だけ脱出しなければいけないのです。
最悪、亡くなることも…
とても悲しいことですが、実際に犬や猫といったペットの死亡事例はあります。最悪なことを考えれば考えるほどドツボにハマってしまいます。
とはいえ、何も飛行機だけじゃくても、車で出掛けてもあり得るし、ペットホテルに預けてもあり得るし、何なら家で留守番させててもあり得るからです。
考えられる限り、できる限りのリスク管理を徹底して、少しでも無事に移動できる手段を実行したいです。
犬を飛行機に乗せることに関するQ&A
愛犬家が気になる飛行機会社への問い合わせやSNSで見ることができる主な疑問は以下の通りです。
- 犬は飛行機のファーストクラスに乗れる?
- 犬の飛行機での死亡確率は?
- 犬の飛行機事例は?
犬は飛行機のファーストクラスに搭乗できる?
今のところ、日本の航空会社ではファーストクラスに犬・猫などのペット搭乗サービスは無いそうです。
ただ、ネタとしては2023年アメリカ・アメリカン航空のファーストクラスに猫が迷い込んだニュースがありました。
猫は無事に飼い主さんに引き渡されましたが、規定としてペットは座席下に収められるケージ内に入れておかなければいけません。
しかし、なんらかの理由でケージから抜け出してしまったようです。
犬の飛行機での死亡確率は?
ネットを見ると、ペットの飛行機事故による死亡確率は0.02%という数字を見たことがありますが真実なのかはわかりません。
下記で犬(ペット)の飛行機事故例を紹介していますが、数年のデータのみですので確率は全くの不明と言えます。
ただ、飛行機の事故って、車の事故よりも割合的には低いと思うのですが…。
犬の飛行機事故例は?
日本の航空会社で犬やペットの事故例を公表しているのは、ANAとJALの2社となります。
ANA
- 2015年3月:犬
- 2016年10月:犬
- 2017年1月:犬
- 2019年11月:犬
- 2020年1月:犬
- 2021年2月:犬
- 2021年5月:犬
- 2021年8月:猫
- 2021年9月:犬
- 2021年12月:猫
- 2022年3月:犬
- 2022年11月:犬
- 2023年4月:犬
- 2023年4月:犬
- 2023年5月:犬
ANAが公表しているペットの死亡事例は2015年から15件です。
JAL
JALが公表しているペットの死亡事例は2019年から11件です。
- 2019年6月:猫
- 2019年11月:犬
- 2019年12月:猫
- 2020年4月:小鳥
- 2021年7月:犬(2件)
- 2021年8月:犬(熱中症)
- 2022年2月:小鳥
- 2022年3月:犬
- 2022年12月:小鳥
- 2023年7月:犬
- 2024年1月:ペット(猫?)
(2024年1月2日の新千歳空港でのJAL機×海上保安庁飛行機事故では、2匹のペット(おそらく猫?)が帰らぬ命となってしまいました。)
ANA、JAL共に死亡したペットの種類だけ公表しており、死因がなんだったのかは不明です。ちなみに、ペットと一緒に搭乗できるスターフライヤーは、死亡事例の公表はしていませんでした。
まとめ:犬を飛行機に乗せるのはかわいそうなのかは永遠のテーマ
ボク自身、愛犬コジロウを飛行機に乗せたことはありませんでしたが、出張や旅行でペットホテルなどに預けたことはあります。
しかし、もしペットホテルが火事にあって最悪の事態になっていたら「無理にでも飛行機で連れて行けば良かった…」と思うでしょう。
「いやいや、そもそも犬を飼っているのに旅行なんて飼い主失格でしょ!?」そういう意見もあるかもしれません。
愛犬が快適に飛行機に乗れるために、犬やペットが苦手だったり一緒に乗りたくない人のために、両方で落としどころを見つけたいところです。
制度や飛行機のルール改正など、これから少しでも良い方向に行けば良いなと願っています。
但し、万が一の事故の時、ペットと一緒に避難できない(同意書に一筆書かなければいけない)となると悩みますよね。
また、飛行機の貨物室は温度・湿度管理されているとはいえ、熱中症での死亡事例もあります。
聞いたこともないエンジンの爆音がストレスにもなるでしょう。
車であれば、万が一ペットの容態が悪くなった時、緊急停車して近くの動物病院に連れて行くことはできます。
しかし、飛行機ですと一度飛び立ってしまえば、目的地の空港に着陸するまでどうすることもできません。
万が一の万が一を考えてしまうと、ボク個人的には飛行機に乗せるのは…厳しいかもしれません。
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